西加奈子さんのエッセイ『まにまに』にこの本の書評が。
面白そうだったので読んでみる。
舞台はニュータウン。学期ごとに転校生が増えていく。
どんどん成長し続ける街で、息苦しさを感じる結佳。
小4の時の友人は、おしゃれで人気のある若葉と
その若葉を独り占めしたい信子。
結佳は若葉のことは上に、
そして信子のことは自分より下だと思っている。
中2になり、また同じクラスになる3人。
でもそれぞれ違うグループになり…
あー、学生時代を思い出すわー。
登場人物全員、身近な人に当てはめられる。
若葉は高校の友人、信子は小学校の友人…
結佳は自分に一番近い気がする。
クラスのおとなしいグループに所属。
人を観察することで自分の方が上だと勘違い。
信子とは誰もいない時だけ話したり、
若葉がリーダー格の女子にいじめられた時は助けなかったり。
人目を気にして自己保身ばかり。
結佳の行動は自分の嫌なところをまざまざと見せつけてきて辛い。
当時はスクールカーストなんて言葉は普及していなかったけど、
そういう雰囲気は存在していた気がする。
友人関係やそれにまつわるエピソードはすごいリアル。
学生時代にかかわった人たちを思い出してしまうくらい。
でも性的な場面だけは、全然リアルじゃない。
小説だからそれでいいんだけど。
「幸せさん」な息吹の存在は結佳の救いかもしれないけど
あんな関係はいやだな。